【インタビュー】陶芸家・よしのちはるさんとクッキータイム:笑顔を誘ううつわ、物語を紡ぐどうぶつたちのファンタジー

2024年夏のフェアリーケーキフェアは、陶芸家よしのちはるさんとのスペシャルコラボレーション「クッキータイム」を開催しています。

大分県豊後大野で、絵付陶磁器を作陶するよしのちはるさん。心あたたまる絵本のようなうつわを作り出し、そのやさしくてたのしい世界観から多くのファンに愛されています。個展をひらくと整理券は瞬時になくなり、初日にはほぼ作品が完売となってしまう、今注目の陶芸家です。

今回ご用意したコンプリートセット第1回目発売も瞬く間に販売終了となり、ラストチャンスとなる第2回目は【2024年7月3日(水) お昼12:00】より抽選販売開始予定です。

そんな人気陶芸家よしのちはるさんの魅力と人気の秘密に迫る貴重なインタビューを公開!陶芸家を目指したきっかけから、制作裏話、作品への想いや考えかたまで、たっぷりとお話しをお聞きしました。ぜひご覧ください。

 

陶芸家の道に進んだきっかけとは?
今をささえる、駆け出し時代

── 使うほど愛着がわき、眺めるだけでホッとする。そんな思わず笑顔を誘ううつわが人気のよしのちはるさん。どのようなきっかけで陶芸家の道を進むことになったのでしょうか?

「わたしじつは子どもの頃、絵を描いたり図工が苦手なタイプだったんです。そんなとき高校で陶芸を体験する授業がありまして。それが意外に楽しいと感じられたんですよね。その楽しさから、なんとなく「これをもっと深く学んでみよう」と思い立って、陶磁器科がある佐賀県立有田窯業大学校(現・佐賀大学)に入学しました。

それから4年間、陶芸を勉強していました。有田焼を中心とした「磁器」という白いやきものを学ぶのがメインだったのですが、ろくろや石膏、絵付など、幅広くいろいろな技法を習い、卒業するまでやきものと共に過ごしていました。この時からですね、絵も描くようになったんです。“キャンバス”ではなく、“うつわ”に絵を描くというのが思いのほかどんどん楽しくなって...!すっかりその世界に惹き込まれました。」

 

── 卒業後はそのまま陶芸家としてスタートされたのでしょうか?

「その後は、陶芸教室で働き仕事後もそこで作品づくりなどしていましたが、その頃はまだ自分が陶芸家になるという未来像はなかった気がします。本格的に陶芸家を目指したのは、夫と出会ってからでした。夫は当時陶芸家として活動をはじめていて、その熱意に触れたことで自分もやきもの一筋で生きてみたいと思うようになったんです。結婚して大分に移り住み、そこからはお互い陶芸に専念することにしました。初期は特に大変で、やきもので生計を立てるために一生懸命でした。夜中まで作業することも多くずっと仕事していました。とにかく精一杯やきものを作っていました。

それがあって今頑張れるみたいな...その頃の経験が今の私たちの基盤となっています。夫はパートナーではあるけれど、ライバルというか...師匠みたいな感じですね。あのとき陶芸だけに専念して本当によかったと思います。今振り返ってみると、その選択が今の自分を支えていると感じます。」

 

自然豊かな大分県豊後大野
よしのさんのうつわづくり

── 現在、大分県豊後大野を拠点に作陶されているよしのちはるさん。どのようなところでうつわづくりをされているのでしょうか。地域の魅力やお気に入りの場所をぜひお聞かせください!

「この地域は山も多く、自然に囲まれた静かな場所ですね。大分県は別府など温泉が有名ですが、唯一このエリアは温泉がない町なんです。近くに「白山川」という青く透き通った川がお気に入りの場所です。鮎がいるくらい本当に綺麗な水で、毎年娘を連れて水遊びに行っています。

あと、隣町の清川という地域に「クリーンピーチ」というすごく美味しい桃があるのですが、これが毎年の楽しみですね。6月下旬くらいから出回るので今からとても楽しみです!」

── とても素敵な場所ですね!自然豊かな町での作陶姿が目に浮かびます。そんなよしのさんが作られるうつわについても、少しくわしく教えていただけますでしょうか?

「わたしが制作するうつわは有田焼がルーツの「磁器」です。やきものは「陶器」と「磁器」に分かれるのですが、「陶器」は陶土という粘土から作られ、「磁器」は陶石という岩石の砕粉が主な原料となっています。磁器は普通の陶器よりもずっと高温で、だいたい1270度くらいの温度で焼きます。高温で焼くことで石が硬く焼き締まり、うつわの強度があがるんです。

型打ちという、土を石膏型に押し当てる技法を用いて一つ一つ絵付したのち焼き上げます。有田での経験は、今の私の陶芸にすごく影響を与えていますね。うつわづくりにも生きています。」

 

── 近況としては、先日絵本を制作されてましたね。

「本屋さんで個展するのなら、ちょっと違ったアプローチでやきもの以外のことができないかなと考えました。娘に毎晩絵本を読み聞かせているのですが、いつの間に親のほうが絵本の魅力に気づき、夫とふたりで一緒に制作しました。」

── ご夫婦での共著とのことでですが、どのように作られたのでしょうか?

「この絵本は、片方のページから夫が、もう片方からわたしが描いていき、真ん中で話がつながるようになっています。山のネコと町のネコが出会う物語です。物語では、二匹のネコがお互い食事の準備をして、最終的には一緒にごはんを食べるシーンで繋がります。夫のネコがワインを持ってくるから、わたしのネコはパンを焼いておこう、という感じで描き上げていきました。

絵本のなかに私たちのうつわが出てくるのですが、食卓の上の皿や花瓶を見てはじめて、この物語は自分たちが日々やってることだったんだぁと気づいて...!とても興味深かったです。絵本作家さんの技術や表現の深さも実感しました。」

 

よしのちはる × フェアリーケーキフェア
どうぶつたちの「クッキータイム」へようこそ!

── このたびお菓子づくりは初めてということで、いかがでしたでしょうか?

「陶芸以外の創作を手掛けたのは今回が初めてでしたので、完成商品を手にした時はとても嬉しかったです。制作中は、想像以上に難しいと感じましたが、でもそれが想像以上に楽しかったです。

時間の許す限り何度もデザインを書き直し、陶芸とは違い「完成形がすぐには見えない」という点が新鮮でした。次の日に見返すと「もう少し違うアプローチがあるかも」と思ってきて、色々と試してみたり、何度もやり直したり。もっといいものができるんじゃないかなって。

それが意外と自分自身と向き合う作業になっていて。何度も試行錯誤するなかで、陶芸では経験できない学びや気づきがたくさんありました。自分の創作活動において新しいチャレンジでした!」

── 制作においてとくに思い入れのあるエピソードはありますか?

「普段、水彩絵の具やクレヨンでラフにスケッチすることが多いので、どうぶつたちのクッキー缶の中に入っているカードのイラストは、オイルクレヨンで描いています。今回そのラフな感じを組み合わせたところはとくに気に入っています。

自分の中で「ここはしっかり描いたほうが良いかな」と思った部分と、「ここはちょっと抜け感を出したほうがいいかな」と思う部分のバランスをとても考えました。そこはぜひ楽しんでいただきたいです。自分でも完成品を楽しんでいます!」

 

── 缶のデザインと中に入っているカードのイラスト、そして型抜きクッキー。各自異なるテイストを取り入れたことで、お客さまに楽しんでもらえる要素が満載となりましたよね!

「缶を開けたときの「わぁ〜!」というサプライズ感が出せたのではないかなと思います。そういうハッピーな反応が引き出せたらとても嬉しいですね!

わたしはクッキー缶が大好きなので、それが本当に大事なものになるように、もしくは誰かにプレゼントしたくなるような、そういう特別となる何かを作りたいと思いながら制作しました。紙に絵を描くというその難しさを感じた場面もありましたが、最後までこだわりました。自由でたのしいクッキー缶というメッセージが込められたと思います。」

 

── たのしい仕掛けをいっぱい考えてくださった、よしのちはるさん。このたびのコラボレーションでは、新しい創造性やアイディアなど取り入れられましたか?

「缶の絵柄は黒いペンで塗りつぶしているのですが、これは通常わたしがうつわに絵付するときに細いペンで縁取りをする技法を応用してみました。初めての試みで不安もありましたが、納得がいくまで何度も試すことでこれもまた学びが多かったですね。」

── たくさん迷われたなかで、ご自身の納得できるものとなって本当によかったです。その難しさを感じたのはどのようなところだったのでしょうか?

「普段わたしが紙に絵を描く作業はラフスケッチが中心で、本番はいつもうつわなんです。直接絵付して焼いて完成するうつわに対して、紙が本番というのはわたしにとって非常に新しい挑戦でした。何度も消したり描き直す過程で、技術的な壁にぶつかったり、うまくいかないことも多かったです。

でも、そのような自分自身と向き合う作業を何度も繰り返していくうちに、「わたしってあんまりうまく描けないけど、その良さもあったんだった...!」ということを忘れちゃいけないなって気づくことができました。

自分がお客さんだったら楽しいのはどれかな?と考えたり、客観的な視点で俯瞰して多角的に考えることの大切さを実感することができ、とても勉強になりました。」

 

こわい目つきも可愛さの一部。
動物たちが魅せる物語のひみつ

── よしのさんが作品作りで一番大事にしていることは何ですか?

「まずは何よりも楽しいものであることを大事にしています。それから、思わずクスッと笑えるような、見てほっとしてもらえる作品づくりを目指しています。小さい頃たいせつにしていたぬいぐるみのように、大人になっても愛着を持てるような...生活するなかで喜んで使ってもらえる楽しいやきものをこれからも作っていきたいです。」

 

── よしのちはるさんの絵皿やカップは、使う時も飾っている時もすごくご機嫌になれて、日常のさりげない幸せを感じさせてくれます。何か心がけていることはありますか?

「わたしは料理に合ううつわを作るというよりは、日常の中でうつわを使うこと自体が楽しいものになるよう心がけています。

たとえば、洗い物をしたり、食卓に置いたときに「このうつわ、かわいいよね」「これ、好きなんだよね」と言ってもらえるような、親しみやすく、あるだけで嬉しくなるようなうつわでありたいです。準備やあと片付けの時も楽しみになる、そんなお気に入りのひとつを提供できればと思っています。」

 

── よしのさんの作品は、まるでおとぎ話のワンシーンのような世界観が魅力的ですが、どのような背景やストーリーがあったのでしょうか?

「最初は意表をつきたいという思いがありました。ライオンとペンギンとネコがいたりとか。「この人の描く動物はちょっと変だけど、面白い可愛らしさがあるよね」と、少しずつ自分のなかのスタイルが受け入れられていきました。

いつの間にかどんどん動物も増え、自然と日常的ではない何かとして“物語”が動き始めました。絵を勉強していない分、一つのうつわを完成させることばかりをしてきたので、そういう徐々に自分なりの表現方法が見つかってきたように感じます。」

 

── 今回登場するどうぶつたちも、クマとパンダ、ウサギ、リスなどが集まっていますが、森にペンギンも一緒にいる世界観もたのしいですよね。

「そうですね、誰でも寄り添える、そんなイメージを持って作りました。あとじつは描きやすいものから描いているのかもしれないですね。ペンギンもその一つです、ちょっと目つきが悪いけど...でもなんだかかわいらしさがあったり。」

── リアルな動物の顔も少し鋭い表情をしていますよね。

「わたしは動物たちの目つきがちょっと怖いところも、実はかわいさの一部かなと思っています。動物の顔はよく見るとちょっと怖い、でも時には面白かったりもするんです。そこがわたしは好きなので、その表現はとても大切にしています。

ちょっと警戒していたり、臆病だったり。ニッコリ笑っているより、感情が読み取れない顔つきの動物たちを描くことで、観る人にとっては面白い発見になったり、気に入ってもらえるポイントになれたらいいなと思って描いています。」

 

── 今回「クッキータイム」と題して展開して頂きましたが、よしのさんが描くその物語的な要素は、いつもどのようにしてインスピレーションを得ているのでしょうか?

「じつは動物自身も人間だと思っているのではないかと考えることがあります。おしゃれをしたり、コーヒーを持ってきたりと、ごく普通に日常の一コマを人間のように行動するどうぶつに自分のなかで自然と置き換えてるのかなって思いますね。

わたしのなかで納得のいく人物がまだ描けていないという部分も大きいのですが、人間のように過ごす動物を描くことで誰も傷つけずに物語を紡ぐことができると思うところは、自分のなかでとても大きいです。いろんな動物たちが集まって食事をするシーンなど、人がする行動を動物に自ずと置き換えて描いているので、それが絵本のような物語につながっているのかもしれません。」

── 「どうぶつたちのクッキー缶」「クッキーとハーブティーの巾着セット」「どうぶつたちのティータオル」とラインナップを通して、ひとつの絵本を読んでいるかのような世界が広がりました...!

「そうですね!クッキー作っているよという動物もいれば、コーヒーだよという動物もいたり、クッキーになってる動物もいたり。最後は「みんなで集まって食べました」と構想としてあったのですが、ティータオルでそれを表現することができ、一つの物語になったと感じます。

はじめは動物たちが各々行動してたのですが、森の中で集うような流れがあって、最終的にそのわちゃわちゃした感じを表現できたのが一番良かったなと思います。」

 

── 今回のコラボレーションを通じて、お客さまにどのような体験をしてほしいですか?

「そうですね。全体が一つにまとまり、とてもたのしい雰囲気になったと思います。ティータオルをテーブルに広げて、クッキーを囲んで、カップ&ソーサーでお茶を飲むという一体感を、お客さまにとってもそれが一つの素敵な体験として楽しんでいただけたらと思っています。

動物たちが作ったクッキーを食べながら、ご家族やお友だちと一緒に過ごす時間を楽しんでいただきたいです。そして、まるで動物たちと一緒に過ごしてもらうような、心がほっとする時間を感じてもらえれば嬉しいですね。」

 

── 動物たちと一緒にわちゃわちゃしてる気持ちになりそうですね!

「そうですね!私自身、物語を作るのが好きで、今回のお菓子づくりはそれが自然にできたなと実感できました。うつわだけでなく、このお菓子を通じて新しい発見や楽しい体験をしてもらえるというのはとても新鮮な気持ちです。ようやく、みなさんにお届けすることができてとっても嬉しいです。すごくワクワクしますね。」

 

── 朗らかで優しいよしのちはるさん。 穏やかで心地よくホッと和む、よしのさんが作り出す作品のように心あたたまる時間でした。どうぶつたちのファンタジーから生まれる、笑顔いっぱいの楽しいうつわにこれからも目がはなせません。

この夏、よしのちはるさんとフェアリーケーキフェアは、絵本のようなうつわやお菓子があつまる「クッキータイム」を展開中です。「どうぶつたちのクッキー缶」や、夏のプチギフトにもぴったりな「紅茶とクッキーの巾着セット」、そして色々な使い方ができる万能キッチンアイテム「ティータオル」を販売しています。

さらに、コンプリートセット第2回目の発売予定は【2024年7月3日(水) お昼12:00】となっております。ラストチャンスですので、どうぞお見逃しなく!

ープロフィールー
よしのちはる / Chiharu Yoshino

1990年福岡県生まれ。
佐賀県有田窯業大学校卒業。
現在、大分県にて作陶。

Instagram @chiharu_yoshino

 

 

【商品紹介】

コンプリートセット第2回目(最後)の発売は抽選販売といたします。

◇ 商品名称:【よしのちはる】カップ&ソーサー付き!スペシャルコンプリートセット
◇ 税込価格:17,600円
◇ 抽選販売開始:2024年7月3日(水) 12:30 p.m.
◇ 応募期間:2024年7月3日(水) お昼12:00〜2024年7月7日(日) 23:59
◇ 発送予定日:2024年7月11日(木)〜 順次発送予定
◇ 商品URL:https://fairycake.jp/products/10810165

 

◇ 商品名称:【よしのちはる】どうぶつたちのクッキー缶 “COOKIE TIME”
◇ 税込価格:2,200円
◇ 販売期間:2024年6月13日(木) 〜 ※無くなり次第終了
◇ 商品URL:https://fairycake.jp/products/10810162

 

◇ 商品名称:【よしのちはる】クッキーとハーブティーの巾着セット
◇ 税込価格:1,700円
◇ 販売期間:2024年6月13日(木) 〜 ※無くなり次第終了
◇ 商品URL:https://fairycake.jp/products/10810163

 

◇ 商品名称:【よしのちはる】どうぶつたちのティータオル
◇ 税込価格:2,000円
◇ 販売期間:2024年6月13日(木) 〜 ※無くなり次第終了
◇ 商品URL:https://fairycake.jp/products/10810164

 

*【よしのちはる】カップ&ソーサー付き!スペシャルコンプリートセットはオンラインストア限定商品となります。
*数量限定⽣産のため無くなり次第販売終了となります。
*期間は予告なく変更する場合がございます。